大学の無償化が進んでいますが、そのデメリットに気づいている人はどれだけいますか?

昔は大学なんて、めったに行けるものではありませんでしたが、今は大学進学は当たり前になりました。なのに、大学へ進学する理由は、全員が建設的だとも言い切れません。SNSを見ると、大卒の学歴を取得するためであって、学ぶためではないという人も少なくありません。せっかく高額な授業料と多くの時間を使って卒業しても、身についたものが大卒の履歴だけだとしたらかなりもったいない。

本題に入りましょう。昔はめったに行かれないということは、珍しいのだからとても価値があったのです。でも今は誰でも行ける時代です。希望の大学でなかったとしても、子供の数が減って、大学が余り、全入学時代になったのです。
誰でも行けるのだから、昔ほどの価値はなくなっているのです。でもまだ経済的理由で行かれない人がいます。それが完全に大学が無償化されたら、今よりももっと大卒の価値が下がります。いずれは義務教育と大差がなくなり、中学校を卒業したのと同じレベルで大卒の価値が扱われることになっていくでしょう。
「そんなことはない」という方向けに、思い出してください。昔はテレビ、パソコン、スマホを持っている人はすごかったんですよね。すごい価値があったんです。でも今はもう皆んなが持っていて著しく価値が落ちています。持っていて当たり前、だからどうしたの?という時代なんです。それよりも、パソコンやスマホで何ができるか、どこまでの能力を見につけたかが問われています。
物質が豊かになったり、誰にでも門戸が開かれるということは、行きたくても行けない、持ちたくても持てなかった人には朗報ですが、他人を抜きん出るツールとしては使えなくなるのです。
とすると、今よりも学業の成績が重視されるようになるでしょう。ただ大卒の履歴がほしくて進学したという人には厳しい世の中になっていきます。しかもこれからはAI時代です。一般的な記憶は持っていて当たり前の時代になりますが、それに加えて思考力、洞察力、問題解決力、共感力などの広汎な能力が試されるようになると思います。
大学無償化のデメリットは、私たちが今考える以上になるでしょう。最後は、人間力、生きる力、つまり、自分で食べ物を作ったり調達してそれを上手く調理し、自分と家族の生命を最低限維持する能力が必要だと気づくでしょう。
何かに恵まれるということは、それをうまく活用する能力も同時に必要になってくるんですね。ではまた。

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